4.再構築の終了がスタートライン

4.再構築の終了がスタートライン

再構築事業は、当初計画の通り平成28年3月末で事業としてのピリオドを打ことになります。

当初計画時には無かったマイナンバーの対応等の作業は残りますが、次年度からはシステムの維持管理とともに取り戻した発注者主導を維持し続けていく段階に入ることになります。

札幌市が目指す発注者主導はまだまだ道半ば、むしろここからがスタートラインといっても過言ではありません。

今後、いかにそれを継続していくことができるかにかかっています。グラスボックスの輝きがむしろ増していくほどに磨き続けなければ、現状の輝きは維持できません。

そのためには、日々の作業のなかにこうあるべきという思想を持つこと、そして当たり前の作業のなかに課題意識を持つ心構えが必要です。

変わらざるをえない状況でも変わることは難しいのに、日々の定常的な作業のなかで自ら変えようとすることは勇気と行動力と責任が必要だということは、これまでのシステムの運用を経験するなかで身をもって感じたことです。

現状、札幌市の情報システム部門の全てのメンバーにその意識が徹底できているかというと、思うようにできていない面があると感じます。

今後、体制の縮小で開発経験があるメンバーが大きく減り、人事異動により開発経験の無いメンバーが増えていく時代になってきます。

そうすると、意識の徹底はますます難しくなっていくため、それをどのように醸成していくかは今後の大きな課題です。

「おわりに」

私たち執筆メンバーの3名は、システム再構築を経験するなかで、「はじめから分かっていればもっと上手くできた。他の自治体などが同じ苦労をする必要はない」と強く思うようになりました。

そこで、私たちの取り組みを他の自治体で苦労されている方にお伝えし、少しでも役に立つ活動ができないかと考えていたところ、このような連載の機会をいただくことができました。

おかげさまで、沢山のご感想や励ましのお言葉などをいただくことができ、予定していた全8回の連載を全うすることができました。

今後も何かの機会を通して皆様のお役に立てることができましたら幸いです。